以前、「スイッチ1つでパソコン操作」というタイトルで、記事を載せましたが、その続きです。
筋ジストロフィー症のKさんは右手の親指を僅かに動かすことが出来ます。そこで、「できマウス。」というスイッチインターフェースと「スペックスイッチ」という身障者向けのスイッチを使いました。Kさんは「スペックスイッチ」を親指の間に挟むように持ちます。また、「できマウス。」付属の「できボタン+。」という1つのボタンで複数の機能を振り分けるソフトを使っています。なお、今回のために「できマウス。」シリーズの開発者の方にソフトを修正していただきました。
「できボタン+。」で1ボタンを以下の8つの機能が使えるように設定しました。
- マウスカーソル左移動
- マウスカーソル右移動
- マウスカーソル上移動
- マウスカーソル下移動
- クリック
- ダブルクリック
- Enter
- 右クリック
「右クリック」は必要ないかなーと思ったけれど、Kさんのご要望で設定しました。マウスの移動スピードは「8」。普通、マウスで動かすスピードに比べれば非常に遅いですが、これ以上スピードを上げると狙ったアイコンの上に止めるのが難しくなるからです。
文字入力の際は当然普通のキーボードは使えないので、「オンスクリーンキーボード」という、パソコンの画面上にでるキーボードを使います。ウインドウズにも標準でついていますが、より高機能なものがネット経由で入手できます。このうち「Pete」というソフトがKさんのお気に入りです。今回「できボタン+。」に手を加えてもらったのは主に「Pete」との連携の部分です。
ソフトそのものは快適に動作したのですが、ひとつ別の問題が発生しました。文字入力の際、連続して同じ文字が入ってしまう、つまりKさんはボタンを押す(つまむ)動作より離す(広げる)動作のほうに難があるということです。
不随意運動のある人が普通のキーボードでのキーの「長押し」による誤入力を防ぐための機能はあります。しかし、ここではオンスクリーンキーボードでの話しになるので、マウス機能の「長押し無効」ということになります。ダブルクリックが難しい人、ドラッグが難しい人のための補助機能の設定はあるのですが、「ボタンがすぐに離せない」場合の対処はないようです。普通、クリックボタンをゆっくり離して困る事はないし、「長押し無効」なんて設定したらマウスカーソル移動もできなくなるでしょ。
「スペックスイッチ」を購入する前、発売元の株式会社アクセスインターナショナルからは2種類スイッチの試用品を送っていただき、実際に試したのですが、そのときは気が付きませんでした。私が使ってみたところ、かなり長く押さないと連続入力にはなりませんが、Kさんにとっては難しい作業のようです。
ただ、姿勢や腕の位置、スイッチの持ち方で若干操作性が変わるらしいです。
これから1週間の課題としてKさんは「慣れるように努力する」といわれました。私のほうはスイッチがもう少し使いやすくなるように手を加える方法を考える事にしました。
今後もこの件に関するレポートを続けていこうと思います。